73P Schwassmann-Wachmann 3

73P シュワスマン・ワハマン第3彗星

シュワスマン・ワハマン第3彗星は、公転周期5.4年の短周期彗星ですが、1995年9月に地球に接近した際に、核が4つに分裂してしまいました。分裂した核にはA〜Dの符号が振られ、B核,C核のように呼ばれます。このうち最も大きなC核が、2006年5月の地球最接近の際に、肉眼等級になるのでは?と期待されていました。空の暗いところでは、肉眼でC核やB核を確認できたようですが、期待されていた程には明るくならなかったようです。なお、2006年の最接近時の地球からの距離は、5月12日にC核が0.079天文単位、5月14日にB核が0.067天文単位という、非常に近いものでした。なお、今回の回帰で多数の分裂核が新たに発見され、50個以上に達しました。


C核

B核
C核は明るくなっては来ていますが、予報光度より少し暗めに推移しています。マスコミは「『謎の彗星』を見よう」などと煽っていますが、都会で馴れない人が双眼鏡を使っても探し出すのは困難だと思います。B核は4月下旬にバーストを起し、C核に迫る明るさになりました。B核の周囲にはイオン・テイルがはっきりと確認でき、地味なC核と対照的です。
撮影データ(C核)
撮影日時 : 2006/5/5 02:19:19-02:33:43
撮影場所 : 福島県鮫川村鹿角平観光牧場
撮影機材 : Vixen R-200SS+パラコア
Nikon D50 IR改造
Guide Scope:Takahashi FS-78C
Auto Guider: ST-2000XM (Imager CCDによる彗星核追尾)
Mount: Takahashi EM-200USD II
露出時間 : 270secs×3(彗星核にてコンポジット)
(ISO1600 , RAW, RAPによるダーク処理)

撮影データ(B核)
撮影日時 : 2006/5/4 00:08 - 00:21
撮影場所 : 同上
撮影機材 : 同上
露出時間 : 240s×1 260s×2(彗星核にてコンポジット)
(ISO1600 , RAW, RAPによるダーク処理)

G核
G核を撮影しましたが、ほとんど存在がわかりません。画像の中心やや右下にシミのように見えているのがG核のテイルと思われます。核は全く確認できません。4月27日に、核がばらばらに分裂してしまったようで、その後蒸発してしまったのでしょうか。
撮影データ
撮影日時 : 2006/5/5 03:02:17
撮影場所 : 同上
撮影機材 : Takahashi FS-78C
ST-2000XM (Guide CCDによる恒星追尾)
Mount: Takahashi EM-200USD II
露出時間 : 120secs
 
C核です。下の写真に比べて、随分大きく、明るくなってきました。

撮影データ
撮影日時 : 2006/4/26 02:25〜02:52
撮影場所 : 茨城県桜川市
撮影機材 : Vixen R-200SS+パラコア
Nikon D50 IR改造
Guide Scope:Takahashi FS-78C
Auto Guider: ST-2000XM (Imager CCDによる彗星核追尾)
Mount: Takahashi EM-200USD II
露出時間 : 240secs×6(彗星核にてコンポジット)
(ISO1600 , RAW, RAPによるダーク処理)
 
撮影データ
撮影日時 : 2006/3/31 22:10〜22:51
撮影場所 : 茨城県常陸大宮市花立自然公園
撮影機材 : Vixen R-200SS+コマコレクター
Nikon D50 IR改造
Guide Scope:Takahashi FS-78C
Auto Guider: ST-2000XM (Imager CCDによる恒星追尾)
Mount: Takahashi EM-200USD II
露出時間 : 240secs×8(彗星核にてコンポジット)
(ISO1600 , RAW, RAPによるダーク処理)

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