アスワンは、オシリスの復活の物語の中で、妻のイシスがセトによって切り裂かれたオシリスの死体を集め、復活させた地であると言われています。フィラエ島のイシス神殿は、そうした伝説のもとイシスを祭るために建てられました。神殿は1898年のアスワンダム(旧ダム)完成と共に、1年のかなりの期間水没するようになり、ハイダム完成後は1年中水没した状態になるようになりました。そこで、付近のアギルキア島と言う島に8年間かけて移設されました。なお、この辺りはナイル川の第1瀑布(カタラクト)のあたりで、川幅が大変狭まっていた所でした(と言っても、日本の急流よりは全く穏やか)。アスワンは花崗岩の産地で、ギザのピラミッドを構成する花崗岩もここから切り出され、運ばれたと考えられています。ルクソールに運ばれるはずだった、ハトシェプスト女王のためのオベリスクが、切りかけのまま放置されています。中央部に亀裂が入ったため、放棄されたようです。ナイル川に浮かぶファルーカを眺めていると、まるで時間が止まったようです。

フィラエ島(にあった)イシス神殿

神殿には船で移動します。
イシス神殿内部の壁画

右よりホルス、ハトホル、ネフティス
イシス神殿内部

プトレマイオス2世
イシス神殿の音と光のショー

(トラヤヌス帝のキオスク)
同上

前庭から第1塔門
切りかけのオベリスク
ナイル川に浮かぶファルーカ