コム・オンボはアスワンの北およそ40kmにある、ナイル川沿いの街です。ここには、プトレマイオス王朝時代の保存状態の良い神殿があります。この神殿は二重構造になっていて、正面向かって左側にホルス神を、右側にワニの姿をしたソベク神を祭っています。神殿内にはワニのミイラが祭られていたらしく、現在も3匹のワニのミイラが展示されています。ワニの種類はクロコダイルで、付近のナイル川に普通に見られるそうです。

コム・オンボ神殿正面

内部は典型的なグレコ・ローマン様式
ハトホル女神
ワニの姿のソベク神
向かって右側の王が持っているのは聴診器。
医術の力を与えられている絵
同じく薬や医療器具を授けられるプトレマイオス王
二人の女性のカルトゥーシュは「クレオパトラ」と読める。
王のカルトゥーシュはプトレマイオス8世のもののようだ。
そうすると、このクレオパトラは2世と3世だろうか?
(上の写真も同様)
ホルス神に貢物を捧げる台。右側には同様にソベク神に捧げる台もある
ワニのミイラ
古代エジプトのカレンダー
古代エジプトでは太陽暦が用いられ、ひと月は30日、1年は12ヶ月であった。すると1年は360日になってしまうが、残りの5日は「エパゴメネ」と呼ばれる祭日で、新年の前に挿入された。女神ヌトがラーのために「ヌトはない年ない月に子供を産む」という呪いをかけられ、エパゴメネの5日間にオシリス、(大)ホルス、セト、イシス、ネフティスを生んだ。