トラックでのダイビングスタイルとしては沈船ダイビングが有名で、数多くの外国人ダイバーが訪れている。しかし、沈船は日本人にはあまり人気が無い。そんな訳で、ブルーラグーンでは日本人向けに沈船以外の色々なスポットを開発している。その一つが君島環礁(Kuop Atoll)である。君島環礁はトラックラグーンの真南に位置する小型の環礁で(地図参照)、大物がよく出て、しかもあまり人間に警戒心を抱いていないのだそうである。君島環礁に行くには、トラックラグーンの南端まで行かなければならないので、30分はゆうにかかる。
私が今回君島環礁で潜った場所は、「ブルーチャネル」と「エッジオブクオープ」の2個所である。ブルーチャネルは君島環礁のリーフの切れ目の水路を横断する形で潜った。カマスの群れとギンガメアジの大群、ナポレオン、ツムブリの群れ、ロウニンアジ、イソマグロなどが出現して、その前評判に嘘偽りはないことを証明してくれた。透明度はかなり高く、ゆうに30mはあると思われた。水温は30度ほどで、年間を通じてこの位あるらしい。そのため、もともとサンゴが高水温に耐久性があって、白化を免れたのではないかという話だった。
エッジオブクオープは、君島環礁の北端の角で、クオープとは君島環礁のことである。壁沿いに流す潜りかたで、かなりの数のサメが見られた。また、時折イソマグロやツムブリなどが通過していった。横穴なども開いていたりして、地形的にも面白いかもしれない。今回初めて知ったのであるが、インド洋(モルジブ)固有種のインディアングラアントやインディアンバナーフィッシュが、トラックでは普通に見られるのである。インディアングラントはムスジコショウダイではないかと思って縞の数を数えたが、6本よりかなり多かった。モルジブと同じ環礁というところになにか鍵があるのだろうか?
写真はエッジオブクオープで撮影したもので、壁の上端部分を撮影した。ご覧のように白化の影響は殆ど無く、元気な珊瑚礁が広がっている。